會田瑞樹

打楽器奏者

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會田瑞樹(打楽器/ヴィブラフォン奏者、作曲家)
1988年12月24日、宮城県仙台市生まれ。
1988年宮城県仙台市生まれ。2010年、日本現代音楽協会主催”競楽Ⅸ”第二位入賞と同時にデビュー以降、
これまでに300作品以上の新作初演を手がけ「初演魔」の異名をとる打楽器/ヴィブラフォン奏者。
2019年第10回JFC作曲賞入選、2021年リトアニア聖クリストファー国際作曲コンクールLMIC特別賞を受賞するなど作曲家としても広範に活動。
最新アルバム「いつか聞いたうた ヴィブラフォンで奏でる日本の叙情」は年間最優秀ディスクとなる第59回レコードアカデミー賞を獲得。
そのほかサライ推薦はじめ各紙より絶賛を受けた。現代作品の魅力を多彩に紹介した成果により令和2年度大阪文化祭奨励賞、
令和3年度宮城県芸術選奨新人賞受賞。かなっくホールレジデントアーティスト。


Mizuki AITA's History

1988年...黎明。
幼少よりヴァイオリンを照井勢子氏に師事し音楽の基礎を学ぶ。
宮城県仙台第二高等学校を経て武蔵野音楽大学大学院修士課程修了。
佐々木祥、星律子、吉原すみれ、神谷百子、有賀誠門、藤本隆文の各氏に師事。


2010年...憑依。
日本現代音楽協会主催第9回現代音楽演奏コンクール”競楽Ⅸ”において
大会最年少ファイナリストとしてデビュー、第二位を受賞。
「憑依型の演奏(西耕一氏)」と評されるなど話題を集めた。


2011年...始動。
6月にはサントリーホール主催レインボウ21「打楽器音楽、その創造と継承」公演において
総合プロデューサーと演奏者の二役を担い、行動する演奏家としての姿勢を示した。
會田のそれらの姿勢を見守ってきた打楽器奏者・高橋美智子氏より、
長年女史が使い続けてきた Deagan 社ヴィブラフォンを譲り受ける。
それをきっかけにヴィブラフォンの魅力の更なる開拓を決意。


2012年...原点。
8月、ヴィブラフォンソロリサイタルを初開催。
10月、會田に強い影響を与えた作曲家、八村義夫(1938-1985)の作品を集めた大規模な個展
「八村義夫の世界」を東京文化会館小ホールにおいて開催。
ここでもプロデュースと演奏の二足の草鞋を履き、新世代の演奏家のあり方を提示した。


2013年...模索。
伊福部昭 生誕九十九年 白寿コンサートに出演。《ラウダ・コンチェルタータ》をピアノ池田慈氏と共演し、
その模様はCD化されている。 2度目となるヴィブラフォンリサイタルを開催。水野修孝、末吉保雄両氏の名曲が誕生した。
オーケストラトリプティーク演奏会「日本の絃楽オーケストラ傑作集」に出演し、
鹿野草平作曲《ヴィブラフォン、金属打楽器と絃楽オーケストラのための協奏曲》を世界初演。コンチェルトデビューを果たす。


2014年...飛翔。
NHK-FM『リサイタル・ノヴァ』へ出演。
デビューアルバム『with...』をALMコジマ録音よりリリース。
アルバムは、朝日新聞夕刊推薦盤、音楽の友12月号推薦盤として掲載。
「想いの一途さが如何なく発揮され、内なる歌にあふれたアルバム」(諸石幸生氏)、
「個性的な7人の邦人作品を並べ、それぞれの持ち味をフルに生かした演奏。
これは日本人だからこそ生み出せた音の世界。」(金澤正剛氏)等の絶賛を受ける。
2014年11月には多岐にわたる音楽活動を背景に第四回世田谷区芸術アワード"飛翔”音楽部門を受賞。


2015年...過渡。
初となる熊本、鹿児島へのツアーを敢行。鹿児島においてはヴィブラフォン
のマスタークラスを開催。地元新聞等に取り上げられるなど、大きな話題となった。
12月17日東京文化会館小ホールで開催されたパーカッションリサイタルにおいて
會田のために作曲された作品は100作品を迎えた。


2016年...繚乱。
世田谷区芸術アワード"飛翔"受賞記念公演として、2016年3月24日に、會田自身にも大きな影響を与え続けた
作曲家末吉保雄氏の大規模な個展「末吉保雄作品個展–内に秘めたる声を求めて-」を世田谷成城ホールで開催。
5月6日近江楽堂においてソロヴィブラフォンリサイタル、
5月25日には渋谷区文化総合センター大和田において邦楽器とのコラボレーションをテーマとした演奏会を開催し、
音楽の友2016年7月号レビュー欄において「強い集中力と自己投入、極めて俊敏な身体能力が會田の演奏から強く感じられる。
様々な個性と主張を持つ作品を、適確に奏し分ける柔軟な感性も素晴らしい。(國土潤一氏)」と高い評価を受けた。
音楽評論家悠雅彦氏は自身のホームページに次のように會田瑞樹を紹介した。
「・・・空間を切り裂く硬質の斬れ味鋭いパッセージの空中乱舞が、聴く者を惹きつけて放さない。その集中
力たるや聴いているこちらの神経にすら強く響いてくるほどで、次の瞬間発せられた音の、そこに込められた
會田の純粋でひたむきな思いが聴く者の心を打つときの快感に、私は久しぶりに酔った。フォルテからピアニ
ッシモにいたる彼の音の表情には繕いがいっさいない。彼がいったい何種類のマレットを用意しているかは知
らないが、次から次へと繰り出すさまざまな種類のマレットが意味するのは、作曲家が注文する尋常ならざる
音への會田の真摯なプレイヤーとしての答え以外の何ものでもないだろう。その上、ペダルを自在に操作する
ことによって、彼のヴァイブ奏法の表現幅は幾重にも広がり、さらに硬軟さまざまなマレットを駆使した繊細
かつシャープな表現力がキャンバスを切り裂くように運動するスリルを堪能した。(悠雅彦氏)」
—JAZZTOKYO ホームページより
12月にはNHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」において會田の演奏を一時間に渡って特集した
「打楽器百花繚乱 Percussion Extraordinaire -Mizuki Aita-」が全国に渡って放送された。
放送は「現代音楽としては異例な評判。音色もビート感も吸引力がある。(平井洋氏)」と評されるなど、大きな反響を集めた。


2017年...由縁。
6月4日京都コンサートホールにおいて
薮田翔一作曲《Gush –Concerto for Vibraphone and Orchestra—》の世界初演をアンサンブル・フリーと行い大きな反響を得た。
6月7日には3年ぶりとなる二枚目のアルバム「ヴィブラフォンのあるところ」がALMコジマ録音より発売。
アルバムはレコード芸術特選盤「鮮やかに、本当に鮮やかに音色が疾駆する。(長木誠司氏)」
「たった一台のヴィブラフォーンから、これほど質感の異なる音群が飛び出してくるとは!(白石美雪氏)」をはじめ、
朝日新聞夕刊「for your collection」紙上へのトピックス掲載、
WEB音楽マガジン「mercure des arts」今月の一枚への推挙など、多くの反響を得た。
2017年7月27日読売新聞朝刊「音楽季評(有馬純寿氏執筆)」においては 「現代音楽をクラシック、さらには先端的な他の音楽シーンと地続きのものと捉え、軽やかに演奏活動を行っている」 優れた奏者のひとりとして會田瑞樹を紹介した。
京都、仙台、東京の三都市において「會田瑞樹ヴィブラフォンソロリサイタル2017」を開催。
委嘱作曲家として間宮芳生、山根明季子、稲森安太己、清水一徹の各氏を迎え、大きな反響を得た。
11月には「オーケストラプロジェクト2017」においては国枝春恵作曲の「弦楽器、打楽器、尺八ための音楽《花を》」を世界初演。
国枝作品について、音楽評論家梅津時比古氏は毎日新聞紙上(2017.12.16掲載)に次のように述べた。
「国枝作品の打楽器と尺八の、そこ以外に接点は無いと感じさせる響きを聴いていると、研ぎ澄まされているが故に一切の
余情の入り込むすきはなく、なぜか痛みがひしひしと迫ってきた。」
12月には三枚目となるソロアルバム「五線紙上の恋人」を発表。
間宮芳生、末吉保雄両氏の最新作をおさめた意欲的な内容は、
「打の情念から打の思索へ...(長木誠司氏)」
「會田自身が素朴にとつとつと歌う声が妙に生々しい。そこに遥かなるものへの憧れをみることもできよう。(白石美雪氏)」
などの評価を得てレコード芸術準特選盤を獲得した。その他、悠雅彦氏による「このディスク2017」にも選出された。
「言葉と音楽の関係性」に強い興味を持ち、作曲家への歌詞提供を開始。
12月開催の「會田瑞樹と五線紙上の恋人たち」では自らの詩と薮田翔一氏の音楽を遭遇させる新たな手法をとった作品、
「時代は独裁者を求める」などを初演し、新たな表現の模索に入った。
年末には自らが高校在学中に独奏者としてデビューした舞台でもあるJBA東北支部主催管打楽器ソロコンテスト南東北大会審査員を務めた。


2018年...決意。
3月に薮田翔一氏の新作協奏曲《Gush》の第二部までの初演を完了。
本作品は全9部までの構想を抱えており、その実現に向けて河北新報より記事が掲載された。
ISCM(国際現代音楽協会)世界音楽の日・北京大会閉幕演奏会において国枝春恵作品を中国国家交響楽団と共演。
7月には国際交流基金アジアセンター「Notes」参加アーティストとしてインドネシア・ジョグジャカルタに招聘。
自作曲《Kampai-Divertimento》を含む公演は大きな喝采を浴びた。
9月5日には、大井剛史指揮、東京交響楽団とともに山内雅弘作曲《SPANDA ヴィブラフォンとオーケストラのための》を初演。
「この日、最も注目した作品が山内雅弘の「SPANDA」。何しろヴィブラフォンという楽器をこの男ほど自家薬籠中のものにしている例を私はほかに見たことがない。 あたかもそれを裏付けるように、この夜一番拍手を浴びたのがこの男、會田瑞樹であった。(悠雅彦氏)」
「独奏の會田瑞樹のバチさばきが鮮やか。バチを持って生まれてきたのか驚異的(宮沢昭男氏)」
「會田の演奏の呼吸も良い。(佐野光司氏)」等々、熱狂的な賞賛を持って迎えられた。
さらに第67回尾高賞選考評においては「山内雅弘さんの《SPANDA》も會田瑞樹さんの演奏が光っていて印象が良かった。(尾高忠明氏)」
をはじめ片山杜秀氏の言及とともに、作品の重要性を改めてここに示した。
10月、フランス・パリでのリサイタルを初開催。
10月14日には、リトアニア・ヴィリニュスにおいて、Modestas Barkauskas指揮、St. Christopher Chamber Orchestraシーズンオープニングコンサート
「Exotic Japan」公演においてソリストとして招聘され、権代敦彦作曲《Sæwol -海から- ヴィブラフォンと弦楽オーケストラのための》
佐原詩音作曲《The Snow》世界初演を行う。公演は満員の聴衆にスタンディングを伴う熱狂の渦に包まれた。


2019年...作曲。
京都フィルハーモニー室内合奏団定期公演においてはビゼー作曲《アルルの女》の朗読役として主人公とその弟二役の出演も経験。
加えて、演奏家としての独自の目線からの作曲活動も近年活発に行い、
日本作曲家協議会主催:第十回JFC作曲賞に入選。


2020年...覚悟。
2月15日、ヴィブラフォンリサイタルin OSAKAを開催。
4月より郡山女子大学短期大学部非常勤講師に着任。
4月10日より自らのYoutube上で「50日間連続《Portraits in Rhythm》全曲攻略」配信を開始し、5月29日完結。
6月22日、WINDS CAFE 282 in 原宿「打楽器百花繚乱Ⅶ -A.J.Cirone作曲《Portraits in Rhythm》全50曲連続演奏会-」を開催。
音楽評論家渡辺和氏より絶賛を受ける。2月15日以来の、會田瑞樹復活公演であった。
さらに、山形県酒田市土門拳記念館とのコラボレーション事業として写真家土門拳に触発された
音楽作品《Ken 〜ヴィブラフォンのあるところ〜》の配信を開始。
10月にはリトアニア:聖クリストファー室内合奏団特別演奏会「杉原千畝への道」において映像によるソリスト主演、
會田瑞樹作曲《Sutartinés》/佐原詩音作曲《Chiune》世界初演の模様がリトアニア国営放送をはじめ全世界に中継され絶賛を博した。
その縦横無尽に渡る活動をSUPER DOMMUNE/Three Shells Presents「打楽器百花繚乱 會田瑞樹の世界」と題し五時間に渡る生放送が行われ、多くの反響を得た。
11月、自身4枚目となるニューアルバム「いつか聞いたうた ヴィブラフォンで奏でる日本の叙情」をリリース。2度目となるレコード芸術特選盤を獲得。
東京オペラシティ文化財団主催B→C會田瑞樹パーカッションリサイタルは仙台/東京二都市で開催され大絶賛を博した。
その模様はNHK-FM「現代の音楽」において二週に渡り放送された。
2020年末、初演作品は300作品に到達。
ヴィブラフォン、現代作品の魅力を多彩に紹介したヴィブラフォンソロリサイタル in OSAKAの成果により令和2年度大阪文化祭奨励賞受賞。


2021年...凝望。
2020年秋より開始したかなっくホールが主催する「テアトル図書館へようこそ!」では會田瑞樹の作曲による劇音楽《あらしのよるに》で9つの図書館で10公演を開催。
子どもたちとのふれあいを通し、音楽や芸術の持つ深い意味を改めて考える契機となる。
2021年4月よりかなっくホールレジデントアーティストに就任し、
10月には没後25年となる武満徹《雨の樹》を巡るヴィブラフォンソロリサイタルをかなっくホールで開催した。
作曲家としての活動も本格化する。愛弟子である佐藤晴睦氏への門出を祝って作曲した《踊れ、赤い靴》
谷口かんな氏が主宰する京都を拠点に活動するアンサンブルさいさいのために作曲を手掛けた《雨の降る前に…》
《打楽器のための協奏曲 -ヴィヴァルディの調和の霊感、バッハのオルガンの残照に-》
湘南クラシック音楽を愛する会主宰の藤本辰也氏の委嘱による《星への航海のための前奏曲》
マリンバのために作曲を手掛けた《マリンバファナティコ》
リトアニア聖クリストファー国際作曲コンクールにおいてLMIC特別賞を得た弦楽オーケストラのための《Ultramarine –beyond the sea-》
これらの作品を通し、會田瑞樹の音楽表現はさらなる進化を続けていることを示した。
2021年暮れには令和三年度宮城県芸術選奨新人賞受賞、
「いつか聞いたうた —ヴィブラフォンで奏でる日本の叙情—」が第59回レコードアカデミー賞を獲得。

2022年…創意。
東京都「アートにエールを!」支援を受け、全曲を自らの作品で構成した初の個展「會田瑞樹自作自演によるリサイタル —書いて奏でて響かせてー」を皮切りに、
創作の勢いは一層旺盛となり、ガムランアンサンブルグループ ”マルガサリ”の委嘱作品として作曲された《蓮華 —ガムランオーケストラのためのー》
《都市生活者のこもりうた ーガムランアンサンブルのためのー》山形県酒田市白ばらへの思慕を作品として昇華した《Hello,Hello,Ms.whiterose》
《あしたのものがたり》會田瑞樹・谷口かんなヴィブラフォンデュオリサイタル公演のために書き下ろした《祭禮 —二台のヴィブラフォンのための協奏曲—》
総計23曲の新作を初演し、作曲家としての決意を新たにした。
演奏家としてもその勢いはますます高まり、山内雅弘作曲《SPANDA Ⅱ—ヴィブラフォンとオーケストラのための》世界初演をはじめ、
各種演奏会への出演を通して、作品の魅力を追求する日々となる。

2023年…開拓。
5月より千代田区立九段小学校”九段planets”サポーターとして音楽教育にも従事し、指揮者の任にあたる。
国立劇場さよなら公演への出演を始め、第31回テッセラ音楽祭にもソリストとして招聘されるなど、その活動範囲はさらに広範に渡る。
作曲家としては、10月《北原白秋のまざあ・ぐうす》全45曲を発表。 『今年出会った「新作」の中で、将来の育ち方が最も楽しみなひとつ。リミックスの時代たる21世紀の「創作」』(渡辺和氏)等の賞賛を受ける。
《リトアニア民謡”クリスマスの朝、薔薇が咲く”の主題のよる幻想曲》は第三回リトアニア聖クリストファー国際作曲コンクールにおいて自身二度目となる特別賞を受賞。
学校教育の場においても塩竈市立第三中学校の委嘱により作曲を手掛けた《邂逅の鐘》がこども音楽コンクール全国大会進出、
《環海の歌》がアンサンブルコンテスト宮城県大会予選で金賞を獲得、県大会へ進出するなど、ジャンルや垣根を超えた縦横無尽の活躍が続いている。



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